目から鱗のビジネス書

私が最近読んで非常に面白かった本は『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門』です。脱サラや起業についてのビジネス書は毎年多くの新刊が世に出てきますが、内容的には「こうすればうまくいく」程度の似たり寄ったりの本が多く、そのうち1冊を読めば他は読まなくてもいいと思うような感じです。しかし、この本は、全く違う切り口での脱サラ・起業を指南する非常に新鮮で読み応えのある一冊です。

脱サラ・起業で飲食店の開業を目指す方は多いと思うのですが、この本では「飲食店は絶対にやめろ」というスタンスで、まずはそこに驚かされました。飲食店開業についての肯定的な意見やその開業方法を詳しく解説すればそれだけ本の売り上げにつながると思うのですが、きっぱりと飲食店開業に大反対しています。実際に飲食店は飽和状態であり、素人が参入してもその95%は数年内に廃業する世界ですから、著者の意見は至極まっとうなのです。

では何をすればいいのか?著者の意見は、後継者問題で廃業に追い込まれる可能性のある有能な中小企業を個人的に買って経営を引き継げ!というものです。日本にはこだわりの技術を持つ中小の製造業がたくさんあります。しかしながら若者の製造業離れや少子化で、黒字であるにもかかわらず後継者が見つからずやむなく廃業に追い込まれる企業が多くあるのです。それらの企業を買収して自分が経営したらどうか、という指南書です。

今までのありふれた脱サラ・起業本とは一線を画すビジネス書です。製造業に携わったことのあるサラリーマンからすると、多くの共感点を見つけ出すことができるでしょう。これから先の時代の、サラリーマンの新たな生き方を提案してくれる面白い一冊です。