J.D.SalingerのNine Stories

J.D.SalingerのNine Storiesについて解説します。サリンジャーと言えば、「ライ麦畑で捕まえて」が代表作品でありますが、9つの短編小説の中に、サリンジャーの心の変化、観点等の相違、考え方の表れを的確に描写しています。

まず、代表作品となるのが、「青の時代」、「緑の目元」、等がありますが、これらの作品は、サリンジャー自身の青春時代を描写している作品であると思われます。当時、Newyork Timesに彼の作品が掲載された時は、大好評であったと言われてますが、それは、第二次世界大戦が終結した頃でありました。サリンジャーも軍隊に参加していましたが、当時、サリンジャーは、ヘミングウエイが鳥を打ち殺したのを耳にして、ヘミングウエイを批判したことでも有名であります。

このNinestoriesの最後の作品であるTeddyは、彼の究極の思考を表している作品であると言えます。この作品の中で、サリンジャーは、神について話をしています。町のウインドウ越しに見える女性の店員が、突然、神に見えたと言うのであります。これも、私はサリンジャー自身の体験からこのような作品を創りだしたのだと思います。

サリンジャーは、日本の禅にも興味を持っていて、その研究をしていたと言われています。そして、晩年は、人里離れて隠遁生活をしていました。人間不信、人間嫌いの面があるようでした。このような思想や、彼の考えを良く表現されているのが、このNinestoriesであると思います。